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肥満の治療


肥満の治療


 
肥満だけを治療するのではなく、健康障害を治す
 肥満症の治療は、「検査編」で説明した健康障害(合併症)がある人は、 その病気の治療と同時に、肥満の解消をめざします。健康障害が重いときや、その症状が変わりやすいときには、もちろんその治療が第一です。ただ、多くの場合、健康障害の治療にとっても肥満の解消が大切なので、健康障害の治療と肥満の改善は同時に行われます。そのほうが治療効果が上がりやすいのです。

肥満症は、どんな健康障害があるのか、肥満度がどのくらいか、内臓脂肪と皮下脂肪のどちらが多いのかなど、病気のタイプや特徴が一人ひとりまったく違います。だから、どんな治療を優先していくかも、一人ひとりちがってきます。 自分の場合にはどんな治療が必要なのか、主治医と十分に話し合いをして、納得して治療を受けましょう。
 肥満症の治療方法には、食事療法、運動療法、行動療法、薬物療法等があります。基本となるのは食事療法と運動療法で、これを同時に進めます。 食事と運動の生活指導を具体的に進めるときに行われるのが行動療法という方法です。まれに薬物療法が補助的に使われることがあります。以上のような方法で効果がない場合にだけ、胃を小さくする外科療法(手術が)行われることもあります。
 「予防編」でも話したように、減量には食事療法の効果のほうが大きいですが、 太りにくい体質をつくって、その後にリバウンドしないようにするためには、 運動療法を同時に行うことがとても重要なのですよ。
極端な肥満の場合は、入院して食事療法を行う場合も
 肥満症の治療には、食事療法と運動療法を並行して行うのが原則といいましたが、例外もあります。
 たとえば睡眠時無呼吸症候群など、緊急に減量をしなければならない人は、 入院して超低エネルギー食治療などを行って、急いで体重を減らすようにするのです。
 また、BMIが35以上と肥満度が高い人は、いきなり運動をはじめると膝などの関節や骨、あるいは肺や心臓などの内臓にも負担がかかり過ぎて、からだを壊す危険があります。水中エアロビクスやエアロバイクなどのように、膝や骨への負担の少ない運動もありますが、重度の肥満の人は運動に対する苦手意識が強い人が多いのです。そこで、はじめは食事療法だけを行って、一定の体重まで減量してから運動療法を始めます。
 


質問コーナー
トラ
Q1 肥満症の治療のためにはどのくらいやせればいいんだ?
   
フクロウ博士
 まずは健康障害(合併症)をなくすことと、内臓脂肪を減らすことをめざします。
 体重が減ることより、健康障害がなくなることや、血圧、血中脂質、 血糖値などのさまざまな検査の数値が正常になることが大事なんですね。
 もちろんそのために、まずは何kgやせることをめざしましょうといった、 具体的な目標体重が示されることがあります。その数値は、どんな健康障害があるのか、肥満度はどのくらいかなど、個人によってそれぞれちがってきます。主治医が、病気の状態やその人の生活などを全体的に見て判断していくんですね。
 患者さんは信頼できる主治医と、二人三脚で治療していくことになります。多くの生活習慣病がそうですが、肥満症も医師に任せきりでは完治はのぞめません。治療方針に従って、患者さんも食事療法、運動療法に努力していくことが、何より必要なんです。
キツネ
Q2 ダイエットは自己流で行ってもいいのかい?
  極端な食事制限や急激な運動が病気の原因になることも
フクロウ博士
 BMI25未満だけれど体重が増える傾向、という人ならともかく、BMIが25以上で肥満と判定される人や、ウエストサイズが内臓脂肪型のおそれを示す男性85cm・女性90cm以上である人は、とにかく一度は内科を受診して、健康障害がないか、また内臓脂肪が基準値を超えていないかを調べてもらうことが大切ですね(肥満症を調べる検査参照)
 肥満1度(BMI30未満)で、肥満症ではないたんなる肥満であることがはっきりしていれば、自己流のダイエットで行うことも可能です。自己流といっても基本は守ること。ダイエットの目的はあくまで健康的に体重を減らすことであることを忘れないようにね。早く減量したいと結果を焦ると極端なダイエットに走りやすくて、その結果、健康を害して、病気でやせてしまったら、まったくの逆効果ですからね。若い女性の場合、極端なダイエッ トで生理が止まることはめずらしくないんですよ。
 必要に応じて、医師、管理栄養士などの専門家のアドバイスを受けましょう。

●正しいダイエットの基本
1.エネルギーのとりすぎを改める
  • 肉、 油脂、お菓子類を減らす。
  • 野菜や海藻、きのこなどはしっかりとる。
2.食べ方の悪いクセを改める。
  • 1日3食きちんと食べる。
  • 3食ほぼ同じ量を。夕食がいちばん多いというケースが太りやすいので、 要注意。
  • よく噛んで、食事を味わいながらゆっくり食べる。
  • 夜遅くに食べない(寝る3時間前に食べ終える)。
3.有酸素運動と筋肉運動を習慣にする。
Q3 普通体重なんだけど、ぎりぎりなの。ダイエットすべき?
   
フクロウ博士
 とくに女性は、普通体重でもやせ寄りを好む傾向があるようだけど、普通体重のうちはダイエットは必要ないんですよ。女性のからだは必要があって体脂肪がつきやすくなっているんだから、やせていればいいってもんじゃない。見かけが大事ってこともわかるけど、まずは健康が第一ですからね。
 ただし普通体重でも、少しずつ着実に体重が増え続けて、普通体重の上限に近づきつつある場合には、近い将来肥満になるおそれがありますよね。そ ういう場合には、早めに対処して肥満にならないよう予防することが大事です。 予防編で話したことを守って、生活習慣を見直してください。
Q4 どんな食事が健康的なのか、具体的に知りたいんだけど…。
   
フクロウ博士
 次のメニューを参考にしてみてね。1800kcalというのは、標準体重58kg 前後の軽労働の人が1日に必要とするエネルギー量です。

1日1800kcalのメニュー例(材料は1人分)
朝食■朝食 545kcal
●チーズトースト(305kcal)
材料(1人分)
フランスパン60g、バター小さじ1、ピザ用チーズ30g
●ブロッコリーとゆで卵のサラダ(156kcal)
材料(1人分)
ブロッコリー40g、卵1個、マヨネーズ・ケチャップ各大さじ1/2
●ミルクティー(68kcal)
牛乳100ml、紅茶適宜
●オレンジ(16kcal)
1/3個

昼食■昼食 625kcal
●トマトとほうれんそうのスパゲティ(475kcal)
材料(1人分)
スパゲティ100g、トマト150g、ほうれんそう40g、サラダ油大さじ1/2、塩・こしょう各少々
●ツナサラダ(150kcal)
材料(1人分)
ツナ(水煮)40g、きゅうり1/2本、ラディッシュ1個、サニーレタス1枚、キーウイ1個、ドレッシング(サラダ油小さじ1、酢大さじ1/2、塩・こしょう各少々)

夕食■夕食 630kcal
●白飯(252kcal)
150g
●牛肉とレタスの炒めもの(240kcal)
材料(1人分)
牛もも肉赤身薄切り100g、調味料A(しょうゆ・酒各小さじ1/2、しょうが汁少々)、レタス100g、きくらげ少々、調味料B(カキソース小さじ1、しょうゆ・酒各大さじ1/2、砂糖少々、スープ大さじ3、片くり粉小さじ1/2)、サラダ油大さじ2/3
●やまいものしょうゆ漬け(70kcal)
材料(1人分)
やまいも80g、調味料(しょうゆ大さじ1/2、レモン汁小さじ1/2、砂糖少々)、香菜少々
●豆腐と干ししいたけのスープ(68kcal)
材料(1人分)
木綿豆腐1/3丁、干ししいたけ1枚、干ししいたけのもどし汁+スープ1カップ弱、塩・こしょう各少々、あさつき少々






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